2019/04/24 17:41



神社の境内にある小さな社は

摂社(せっしゃ)・末社(まっしゃ)といいます。

摂社、末社も本社に附属する神社ですが、現在では特に

両者を区分する規定はなく、本社の管理下にある

小規模神社の呼称として用いられています。

 

 

戦前の旧官国幣社(かんこくへいしゃ)においては、

摂社と末社を区分する基準が設けられました。

 

摂社に該当する条件として、まず本社御祭神の

荒魂(あらみたま)や后神・御子神を祀った社のほか、

御祭神と関係のある神や現社地の地主神(じぬしがみ)など

特別な由緒がある社となっていました。

こうした基準に当てはまらないのが末社であり、

摂社は末社より上位に置かれていました。

 

 

現在でも摂社・末社の呼称は、戦前の基準による区分を

そのまま用いていることがありますが、

特に本社との由緒の深い神社には摂社の呼称が用いられています。

摂社・末社については、本社と同一の境内地で祀られている境内社と、

境内地外で祀られている境外社といった区分もできます。

 

 

このほか、伊勢の神宮や京都の石清水(いわしみず)八幡宮などでは、

特に本社御祭神と関係の深い社を別宮(べつぐう)と称しています。

 

 

伊勢の神宮においては、内外両御正宮の他に、

これに次ぐ尊い社として両宮それぞれに別宮があり、

『延喜式神名帳』(えんぎしきじんみょうちょう)に載る式内社が摂社、

『延暦儀式帳』(えんりゃくぎしきちょう)に載る社が末社、

両書に記されていませんが神宮との密接な関係により

古くから祀られてきた社が所管社と称されています。

 

 

「伊勢の神宮」とは、両御正宮のほか、別宮・摂社・末社・所管社を含めた

125社の社の総称をいいます。


神社本庁「神社のいろは」より