2019/03/29 10:19




日本は古来、
稲作をはじめ農業を中心に国づくりを
進めてきました。

ですから、みのりの秋には
「ありがとうございました」
という感謝の気持ちを込めて、
その年に初めて収穫された稲穂などの穀物を
神さまにお供えします。

これを初穂といいます。

野菜や果物、魚などの初物も同様です。

神社にお供えするお初穂という言葉は、
ここに由来します。

いまでは、季節にかかわらず、
お初穂としてお金を上げることが
多くなりました。

その場合、包みの表書きには
「初穂料」のほかに
「御神前」「御供」
「玉串料」「御榊料」等の
書き方があります。

 
「御神前」「御供」という表書きは
一般によく知られています。

「玉串料」「御榊料」とは
玉串や榊の代わりに、
それぞれお供えする料であることを
意味しています。

このほか「上」や
「奉献」「奉納」と書かれる
場合もあります。

「上」は
よく神様や目上の方に対する
御礼の際の表書きに
用いられる語です。

「上」はお神札(ふだ)・
お守などの授与品や撤下神饌を
入れる袋の表書きにも
用いられていますが、
この場合、撤下品は神前にお供えする際、
「上」と記すのであって
「上」とはあくまでもお供えを
する神様に対して用いられている語
ということができます。

一方、お神札やお守が
御神霊の御加護を戴く尊貴なものなので
丁寧さを表現するために
「上」を表書きにしていると考える
こともできます。
 
 
このほか、
神式の葬儀のお供えに関しては
「御霊前」や「玉串料」「御榊料」
といった表書きが用いられます。

市販の不祝儀袋には
「御霊前」とあっても、
蓮の花の文様が付いている場合が
ありますが、
これは仏式用のものなので
ご注意下さい。
 
 
表書きには、
神事に用いられる以外にも
冠婚葬祭を通じて
さまざまな書き方があり、
自らの気持ちを伝える意味でも
大切なものということができます。

神社本庁「お参りのいろは」より抜粋